男に告白された男
そんなつもりは全くないのに、同僚(男)から告白されてしまいました。 会社を辞めるわけにも行かず、彼も辞める気配もなく、 オフィスの5階(僕)と6階(彼)、なんとなく気まずい僕の日記です。
DATE: 2006/10/12(木)   CATEGORY: 未分類
不可分の不確かさ。
友情を失うことの恐怖が、恋愛感情を産むのか。
そりゃ、うまくいけば、友達以上の関係になれるだろうが
下手をすれば、友情そのものを失う。
怖い、というわりに、リスクの高いことを彼はやってのけたわけだ。

現実はどうか。
友達以上恋人未満といえば聞こえはいいが
実際のところ、その境界空間には
空恐ろしいような、歪んで澱んだ、やるせなさが充満している。

そのやるせなさが、現実の僕の部屋、キッチンに満ちて
窓を開けているのに、窒息しそうになる。
「お前は、失う心配なんてする必要がなかったのにな」
彼は、それを信じることができなかったんだろう。

そういう心情を、理解できなくもない。
永遠とか絶対とか、そんなものは幻で、
誰の言葉も確約なんてしてくれない。
追い詰められると、そういう絶望的な気分になることが
僕にだってある。
ただ、彼が僕に対して
そういう絶望や不確かさを持っているとは思わなかった。
「それはつまり、お前は俺を信用できなかったってことだな」
僕の言葉に、彼は微笑を浮かべて首を振った。
「俺が信用できないのは、自分自身だ」
彼は片手で急須の茶を注ぎきると、じっと茶碗の中を見ている。
「お前に必要とされる、その値打ちが自分にあるとは
俺は信じられないんだ。今でもな」

人の心ほど不確かで、解明できないものはないと、誰かが言った。
だから、50%の確かさで折り合いをつけるほかない。
彼はその折り合いを、うまくつけることができずにいるのだ。
友情の50%しか信じられない彼は、
残りの50%を恋愛の50%で満たそうとして、
それでもやっぱり、不可分の不確かさが付きまとって
暗い眼をする。

「そんなんじゃ、俺はお前にしてやれることは
何もないってことじゃないか」
汲んでも汲んでも尽きない泉のように、
彼の不信は枯れる事なく涌き出て、ずっと彼を満たすのだろう。
「そういうお前を信じさせる自信なんて、俺にだってない」
自分を信じきれない男が二人、向かい合って
これではどこにも、救いがない。





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| | 2006/10/13(金) 19:47 [EDIT]
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