不可分の不確かさ。
友情を失うことの恐怖が、恋愛感情を産むのか。
そりゃ、うまくいけば、友達以上の関係になれるだろうが
下手をすれば、友情そのものを失う。
怖い、というわりに、リスクの高いことを彼はやってのけたわけだ。
現実はどうか。
友達以上恋人未満といえば聞こえはいいが
実際のところ、その境界空間には
空恐ろしいような、歪んで澱んだ、やるせなさが充満している。
そのやるせなさが、現実の僕の部屋、キッチンに満ちて
窓を開けているのに、窒息しそうになる。
「お前は、失う心配なんてする必要がなかったのにな」
彼は、それを信じることができなかったんだろう。
そういう心情を、理解できなくもない。
永遠とか絶対とか、そんなものは幻で、
誰の言葉も確約なんてしてくれない。
追い詰められると、そういう絶望的な気分になることが
僕にだってある。
ただ、彼が僕に対して
そういう絶望や不確かさを持っているとは思わなかった。
「それはつまり、お前は俺を信用できなかったってことだな」
僕の言葉に、彼は微笑を浮かべて首を振った。
「俺が信用できないのは、自分自身だ」
彼は片手で急須の茶を注ぎきると、じっと茶碗の中を見ている。
「お前に必要とされる、その値打ちが自分にあるとは
俺は信じられないんだ。今でもな」
人の心ほど不確かで、解明できないものはないと、誰かが言った。
だから、50%の確かさで折り合いをつけるほかない。
彼はその折り合いを、うまくつけることができずにいるのだ。
友情の50%しか信じられない彼は、
残りの50%を恋愛の50%で満たそうとして、
それでもやっぱり、不可分の不確かさが付きまとって
暗い眼をする。
「そんなんじゃ、俺はお前にしてやれることは
何もないってことじゃないか」
汲んでも汲んでも尽きない泉のように、
彼の不信は枯れる事なく涌き出て、ずっと彼を満たすのだろう。
「そういうお前を信じさせる自信なんて、俺にだってない」
自分を信じきれない男が二人、向かい合って
これではどこにも、救いがない。
そりゃ、うまくいけば、友達以上の関係になれるだろうが
下手をすれば、友情そのものを失う。
怖い、というわりに、リスクの高いことを彼はやってのけたわけだ。
現実はどうか。
友達以上恋人未満といえば聞こえはいいが
実際のところ、その境界空間には
空恐ろしいような、歪んで澱んだ、やるせなさが充満している。
そのやるせなさが、現実の僕の部屋、キッチンに満ちて
窓を開けているのに、窒息しそうになる。
「お前は、失う心配なんてする必要がなかったのにな」
彼は、それを信じることができなかったんだろう。
そういう心情を、理解できなくもない。
永遠とか絶対とか、そんなものは幻で、
誰の言葉も確約なんてしてくれない。
追い詰められると、そういう絶望的な気分になることが
僕にだってある。
ただ、彼が僕に対して
そういう絶望や不確かさを持っているとは思わなかった。
「それはつまり、お前は俺を信用できなかったってことだな」
僕の言葉に、彼は微笑を浮かべて首を振った。
「俺が信用できないのは、自分自身だ」
彼は片手で急須の茶を注ぎきると、じっと茶碗の中を見ている。
「お前に必要とされる、その値打ちが自分にあるとは
俺は信じられないんだ。今でもな」
人の心ほど不確かで、解明できないものはないと、誰かが言った。
だから、50%の確かさで折り合いをつけるほかない。
彼はその折り合いを、うまくつけることができずにいるのだ。
友情の50%しか信じられない彼は、
残りの50%を恋愛の50%で満たそうとして、
それでもやっぱり、不可分の不確かさが付きまとって
暗い眼をする。
「そんなんじゃ、俺はお前にしてやれることは
何もないってことじゃないか」
汲んでも汲んでも尽きない泉のように、
彼の不信は枯れる事なく涌き出て、ずっと彼を満たすのだろう。
「そういうお前を信じさせる自信なんて、俺にだってない」
自分を信じきれない男が二人、向かい合って
これではどこにも、救いがない。
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